商工会議所とは?入会のメリットや商工会との違いを説明

商工会議所は、地域に根付き、経営に必要なサービスを提供している公的機関です。

「名前は聞いたことはあるけど、イマイチ何をしている組織か分からない」

「商工会議所に入会するメリットは?」

といった疑問をお持ちの経営者は少なくないのではないでしょうか。

商工会議所は、人材採用・資金調達・広報・経営相談などの様々な実用的サービスを提供しています。

上手に活用すれば、会社にとっても大きなメリットがあるでしょう。

今回は、商工会議所の役割、サービス内容、商工会との違いから入会費用/会員資格、入会の手続きまで分かりやすく解説します。

商工会議所とは

まずは商工会議所は、そもそもどんな組織なのか「役割・商工会との違い・会員構成」の観点からみていきましょう。

役割

商工会議所は、全国514箇所に拠点を持つ非営利の公共経済団体です。

主に市区などの一定地域内の事業者によって組織されています。

明治11年、渋沢栄一を中心とした実業界の代表的なメンバーが自主的に集まり、商工業者の声を国に届けるために作られたのが成り立ちです。

主に、

  1. 経営支援活動
  2. 政策活動
  3. 地域振興活動

の3つの活動が柱になっています。

地元地域の経済を下支えしながら、企業の声を国へ届けるのが役割といえます。

商工会との違い

商工会議所が主に市区単位で設立されているのに対し、商工会は、町村部を中心に設立されている公的組織です。

商工会は全国1,600以上に渡ります。商工会議所の3倍以上の数があることが分かります。

また、活動内容は、小規模事業者支援に重点を置いており、経営改善が主な活動です。

民間外交など国際的な活動まで幅広く行なっている商工会議所と地元企業の経営支援に力を注ぐ商工会と、活動範囲に違いが見られます。

会員構成

2018年度末における商工会議所の会員構成は下記の通りです。

  • 全会員数・・・80,634件
  • 部会別会員構成比・・・サービス(27%)、建設・不動産(17%)、商業(14%)、商業卸売(12%)、工業(11%)、情報通信(7%)etc
  • 資本規模別会員構成比・・・1,000〜5,000万円未満(45%)、500万円未満(30%)、500〜1,000万円未満(9%)、5,000万円〜1億円未満(8%)etc

商工会議所の提供サービス4点

商工会議所が、会員に対して提供しているサービスは大きく以下の4つです。

  1. 経営相談・資金調達支援
  2. 販路拡大・PR支援
  3. 人材採用・育成
  4. 共済・福利厚生

ここでは、東京商工会議所を例にご説明します。

サービス①:経営相談・資金調達支援

商工会議所では、弁護士・税理士・社会保険労務士等の専門家への経営相談をはじめ、資金調達サポート、M&Aによる事業承継など、様々な経営相談に対応しています。

商工会議所の資金調達として知名度が高いのが、「マル経融資」です。

マル経融資は、商工会議所の経営指導員の経営指導を受けることで、日本政策金融公庫から低金利で融資が受けられる制度。

気になる方は以下の記事をご覧ください。

【関連記事】マル経融資とは?条件やメリット、注意点【日本政策金融公庫】

サービス②:販路拡大・PR支援

商工会議所では、会員間の取引拡大や広報/PRに関するサポートを行なっています。

テーマや業種に応じた商談会や、様々な人脈を構築できるビジネスマッチングイベント等を定期的に開催しています。

また、商工会議所の会員向け機関紙などを通じて、経営者に直接PRをすることが可能です。

サービス③:人材採用・育成

人材採用支援にも力を入れています。

例えば、東京商工会議所では、

  • 学校法人就職担当者との情報交換会
  • 合同会社説明会
  • 東商ジョブサイトへの会社説明掲載
  • 再就職支援企業への求人情報提供

といった幅広い採用メニューを用意しています。

サービス④:共済・福利厚生

共済は、商工会議所が契約者となり設定された保障に会員が加入できる仕組みです。

商工会議所では、主に中小企業が必要な補償を取り入れている点がメリットです。

また、東京商工会議所では、福利厚生支援代行サービス「CLUB CCI」を提供しています。

CLUB CCIでは、低価格で「旅行・レジャー・資格・スポーツ・ショッピングetc」といった様々な福利厚生サービスを取り入れられます。

商工会議所に入会する3つのメリット

商工会議所に入会するメリットは主に3つです。

  1. 経営に必要なあらゆるサポートを受けられる
  2. 地域密着。会員同士の繋がりが増える
  3. 無担保・無保証の融資制度を利用可能

メリット①:経営に必要なあらゆるサポートを受けられる

先ほどご説明したように商工会議所では、資金調達・取引拡大・人材採用・共済といった事業運営支援を行なっています。

とくに中小企業の悩みとして上げられる「資金不足」「人手不足」「売上減少」といったポイントに幅広く答えてくれる点は嬉しいですね。

メリット②:地域密着。会員同士の繋がりが増える

ビジネスマッチング等を通じて知り合える横の繋がりは、中小・小規模事業者にとって重要でしょう。

実際、「セミナー・交流会で新たな取引が生まれた」「異業界の知識が習得できた」という喜びの声は、会員から多く上がっています。

メリット③:無担保・無保証の融資制度を利用可能

先ほど、名前を上げた商工会議所を活用したマル経融資は、無担保・無保証の融資制度です。

こちらの制度は、商工会議所の経営指導を6ヶ月以上受ける必要があります。

商工会議所の入会費用と会員資格

商工会議所の入会資格や年会費用をご説明します。

入会資格

入会条件は以下の2つです。

  • 当該商工会議所の管轄エリア内に営業所等の登録可能な住所があること
  • 事業を営む法人・団体・個人事業主であること(学校法人・医師・医療法人も可)

規模・業種ともに様々な会社が入会可能です。

加入金・年会費

東京商工会議所の例でご説明します。

会員 加入金(初年度のみ) 年会費(資本金等に準ずる)
法人・団体 3,000円 15,000円〜
個人事業主 3,000円 10,000円〜

年会費は、資本金(出資額)に応じて異なります。

詳しくは事業所近くの商工会議所HPをご覧ください。

【補足】損金・または必要経費に算入可能

加入金・年会費は全額、損金または必要経費に算入できます。

商工会議所に入会するには?手続きの仕方

入会は主に以下の5ステップで進みます。

なお、申し込みは郵送またはWebから可能です。

以下、Web申込のケースでご説明します。

  1. 申込フォームへの入力
  2. 加入申込書への押印・提出
  3. 加入承認(月1回)
  4. 入会決定
  5. 加入承認通知・会員証の送付

入会申込をしたら、加入申込書が登録住所に届きます。こちらの申込書に必要事項を記載・押印の上、送付してください。

加入承認は毎月1回行われます。

商工会議所まとめ

今回は、商工会議所の仕事内容・役割から入会メリット、手続きについて解説してきました。

地域に根付いた細やかなサービスを行なっている商工会議所。

中小・小規模事業者・個人事業主にとって頼りになる存在ではないでしょうか。

気になる方は、商工会議所HPから資料請求できますので、お試しください。