新型コロナに乗じて急増!SNSで広がる個人間融資に注意

#個人間融資、#即日振込可、このようなハッシュタグをTwitterで見かけたことはありませんか?

2019年頃から、SNSなどで個人からお金を借りる個人間融資のトラブルが相次いでいます。

さらに、新型コロナウイルスが拡大している現在は、「コロナで仕事が減った方、融資可能です」「#コロナ」などの投稿で利用者を誘い込む手口が広まっており、警視庁や金融庁が警戒を強めています。

今回は、個人間融資の違法性やトラブル事例をご説明していきます。

個人間融資のトラブルに巻き込まれないようにぜひ目を通してみてください。

Twitter、掲示板で被害が広がる個人間融資の実態とは?

Twitterや資掲示板などを通じて、見ず知らずの第三者とお金の貸し借りを行う個人間融資。その性質から、SNS融資とも呼ばれています。

#個人間融資、とTwitterで入力していただくとわかりますが、「お金にお困りの方、即日融資可能です」「融資ご希望の方はDMください」このようなアカウントが大量に見つかると思います。

個人間融資では、銀行や消費者金融のような書類審査などもないため、スマホだけで気軽に借りることができます。

そうした便利さにつけこんで、後から違法な金利で返済を求められた、前金を払ったら連絡がとれなくなったというトラブルが相次いで発生しています。

ネット・SNS上での貸付斡旋は違法?

そもそもこうした個人間でのお金の貸し借りは合法なのでしょうか?

金融庁のHPでは、以下のように書かれています。

  • 個人であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは、貸金業に該当します。
  •  不特定多数が閲覧可能なSNS等で「お金を貸します」、「融資します」などと書き込んで、契約の締結を勧めることは、貸金業法の規定に抵触する場合があります。

継続的にお金を貸す行為は、貸金業に該当し、さらに貸金業では契約の勧誘を規制しているため、SNS等での発信はこの規制に抵触する可能性があるということです。

貸金業を行うためには、貸金業登録が必須なので、登録をしていない人は「無登録営業」として罰則の対象になります。

つまり、SNS等で広まっている個人間融資はほとんどのケースで違法になる可能性が高いということになります。

個人を装ったヤミ金業者も多数

実際に個人間融資を行なっているのは、純粋な個人だけではありません。

個人を装ったヤミ金業者や詐欺集団が多いのも実態です。

貸金業の上限金利を大きく超える高金利での貸付を行なったり、取得した個人情報が別の犯罪行為に利用されたりもしています。

気軽なお金の貸し借りは厳禁!個人間融資のトラブル例

実際に個人間融資を利用した人々のトラブル例をみていきましょう。

①保証金名目でお金を振り込んだ途端、連絡が途絶える

30代男性 Aさん:融資を受ける上で返済能力を確かめるために融資額の10%を先に振り込んでくれたら融資するという連絡を受ける。3万円ほど振り込んだ後に急に連絡がとれなくなった。

20代女性 Bさん:携帯料金滞納なので消費者金融などからもお金を借りられず、SNSで融資を募る。お金を貸します。という人が現れ、SNSでやりとりして100万円を借りることに。保証金として5万円が必要といわれ支払った後、相手と連絡がとれなくなった。

②法外な利息で返済を要求された

50代男性 Cさん:生活費に困っており他からの借入もできず、個人間融資の掲示板で融資募集の旨を書き込む。返事をしてきた人と直接会い、合計15万円を借入。50万円以上を返済したがさらに400万円を支払うように連絡がきた。相手は住所も知っている。

③ヤミ金ならではの押し貸し

20代男性 Dさん:SNSの「お金貸します」という書き込みをみて、60万円の融資を申し込み。まずは2万円を振り込むからそのままこちらへ振込返してほしい。それで審査をする。と言われ銀行口座などの個人情報を伝える。怖くなってやめたいと伝えると「すでに1万円を振り込んだから1週間後に3万円を返すように」と言われた。

④お金を貸し付ける代わりに体の関係を求める「ひととき融資」

20代女性 Eさん:ゲームに熱中し、課金のために個人間融資を利用。貸し手の男性と6万円を無利子で貸すこと、1ヶ月後に返せなかったら身体的な関係を持つことを約束。結局、お金を返せず何度も肉体関係を迫られ断られると利息をつけると脅される。

個人間融資に関する相談窓口

今は自分は関係ないと思っていても、知り合いがトラブルに巻き込まれたり、万が一のことがあるかもしれません。

個人間融資の被害やトラブルにあったら、適切な機関に相談しましょう。

相談先 連絡先
金融庁 金融サービス利用者相談室 0570ー016811
消費生活センター等の消費者生活窓口 188(消費者ホットライン)
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター 0570-051051
闇金問題に詳しい弁護士 各事務所

 

スマホひとつで見ず知らずの人から簡単にお金を借りられるという便利さに惑わされず、「個人融資」「即日融資可」「ブラックOK」「お金貸します」「ひととき融資」といった文言には注意していください。

また、コロナウイルス関連では、個人間融資以外にもコロナに乗じた詐欺問題なども増えてきています。

少しでも怪しいと思ったら、自分で判断をせず、金融庁や消費生活センターなど適切な相談先に連絡してみてください。