M&A(企業の買収・合併)では対象企業の選定・スクリーニングに十分な時間を割く必要があります。
買収先(売却先)のスクリーニング過程で出てくるのが「ショートリスト」です。
今回は、ショートリストの意味や作成手順を初心者の方でもわかりやすく解説していきます。
ショートリストとは
ショートリストは、一定基準に基づいて集めたロングリストと呼ばれる2、30社程度のM&A候補企業群の中から、さらに絞り込みを行なって残った数社〜10社程度の企業リストのことです。
最終的にショートリストに残った会社へ、M&Aの打診をしていくことになります。
ロングリスト作成時に比べて、より具体的な分析を行い、自社の戦略上重要といえる会社をスクリーニングしていく必要がありあす。
ロングリストって何?という方は以下をご覧ください。
【関連記事】ロングリストとは?作成時のポイントも解説【経営に役立つM&A用語】
ショートリストの作成手順
ロングリストからショートリストを絞り込んでいく際の手順をご説明します。
詳細なやり方は、M&A仲介会社やアドバイザーごとに異なるので、ここでは大まかな流れをご紹介します。
ステップは下記3つです。
- 評価項目ごとの優先度を決める
- 明らかに対象外の会社は除外する
- 定量情報以外に定性的な面からも絞り込む
STEP1.評価項目ごとの優先度を決める
ロングリストには、企業の公開情報をもとに定量的なデータが記載されています。
例えば、
- 会社概要
- 事業内容
- 株主構成
- 財務状況
- 直近M&A(買収・合併)状況
- 株価動向・バリュエーション
etc
といった項目から、自社が優先するべき項目を順位づけしていきます。
優先度の高い項目を満たしている会社から優先的にアプローチしていくことになります。
STEP2.明らかにアプローチ対象外の会社は除外する
また、ここでは「買収や売却の意思が明らかにない」などの対象外となる会社を除外していきます。
STEP3.定量情報以外に定性的な面からも絞り込む
M&Aはよく結婚と例えらることが多いですが、財務状況やM&A状況等の定量データだけではなく、社長同士の相性などの定性的な面も重要です。
ロジカルな面だけではなく、こうした感覚的な絞り込みも大切な選定基準になりえます。
ショートリストまとめ
ショートリストに残った会社に、順次接触を図ることになります。
しかし、全ての項目を満たしている完璧な会社は基本的にはないので、現実的な選択肢の中から取捨選択必要があります。
また、M&Aを進めて、その会社のことを知っていく内に元々考えていた優先度が変わるということもままあります。
ショートリスト作成時に作った項目ごとの優先度は、変更可能性があることを念頭にいれて柔軟に調整していけると良いでしょう。