リスケ(リスケジュール)中でも資金調達できる方法5選

銀行融資のリスケジュール中でもできる資金調達方法をご紹介します。

「リスケをしているが、急ぎで運転資金が必要」「条件変更中で銀行からの借入ができず、事業再建が難しい。。」といった中小・ベンチャー企業に向けて、本記事を執筆します。

通常の金融機関の融資・借入以外の色々なリスケ中の資金調達方法を知っておくことで、いざという時の役に立つはずです。

今回は、銀行の銀行以外からリスケ中の会社が資金調達する方法を6つご紹介します。

中には即日調達ができる方法もあります。それぞれの調達方法のスピードや金利条件等の情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

そもそもリスケ中に追加融資は受けられるもの?

結論、リスケジュール(融資返済額の減額、金利の変更、返済期間の延長etc)中に既存の金融機関から新たな融資を受けるのはかなり難しいです。

リスケを実行すると、銀行からの信用格付けが「正常先」から「要注意先」または「破綻懸念先」に分類されます。

【銀行の信用格付け】

債務者(企業)区分 格付け 内容
正常先 リスクなし:上場企業のみ 業績良好・財務状況も問題ない
ほぼリスクなし:上場企業のみ
リスクほぼなし:その他企業
要注意先 リスクはあるが良好 金利の減免・減額をしている、返済履行状況に問題がある
リスクはあるが平均的
リスクは高いが許容範囲
リスク高く、要注意
破綻懸念先 警戒 経営難で経営改善状況も悪い
実質破綻先 延滞 法的には経営破綻していないが、実質経営難
破綻先 事故 法的に経営破綻している状態

 

一般的に、要注意先や破綻懸念先には新規融資を行ないません

リスケは、資金繰りに苦しくなった会社が借入条件の変更を行い、金融機関に返済を猶予してもらっている状態です。

追加融資のお願いをしても、銀行としては「だったら今リスケしてる分の融資をまず返済して」となってしまうのです。

ただし、もしリスケ後に計画通りに返済を続け、キャッシュフローが改善しているのであれば、リスケジュール中でも融資可能性は0ではありません。

なお、リスケには全行平等の法則というものがあり、融資を受けていた金融機関全てにリスケを申し込み、承諾されなければなりません。

融資を受けていた全金融機関がリスケ中になるので、メインバンク以外なら追加融資に応じてくれるのでは?借入金額が少ない金融機関なら相談にのってくれるのでは?といったことは望めません。

そこで、以下からはリスケ中でもできる銀行借入以外の資金調達方法をご紹介していきたいと思います。

リスケ中の資金調達①:ファクタリング

ファクタリングとは、入金日がまだ来ていない売掛債権を業者に買い取ってもらい、現金化する方法です。

法人相手の売掛債権さえあれば、経営状況や信用情報に関係なく、最短即日で資金調達が可能です。

ファクタリングのメリットは、大きく以下の3つです。

  1. 最短即日で資金調達ができる
  2. 融資・借入ではないので負債にならない
  3. 赤字決算、税金滞納があっても利用可

例えば、来月末支払い予定の100万円の売掛債権があった場合、売掛先には知られずに80万円〜90万円程度の金額でファクタリング会社に買い取ってもらうことができます。

買取にあたって手数料が10%〜20%かかるので繰り返しの利用には向いていませんが、今すぐにキャッシュが必要という緊急時にはおすすめの方法です。

なお、ファクタリングでは債権売却後に、売掛先が貸し倒れを起こしても利用企業は何も責任を負いません

そのため、ファクタリング会社は、買取の際に売掛先企業の未払いリスクを審査基準としています。

逆にいうと、資金繰りに苦しく税金滞納をしてしまっていたり、赤字決算だとしても、ファクタリング審査にはほとんど影響を与えません。ただし、企業によっては、利用者の状況次第で手数料が高くなる場合があるので注意してください。

【今すぐ請求書を現金化したい方へ】

とにかく審査を待っている時間がないという方は、スピード対応・即日入金を売りにしている「ビートレーディング」「アクセルファクター」「ファクターズ」の3社へ無料問い合わせしてみることをお勧めします。

上記の3社はファクタリング会社としての実績も豊富で、信頼できるおすすめ業者です。

その他のファクタリング会社は、以下でご紹介しています。
【関連記事】即日入金OKのおすすめファクタリング会社比較一覧

リスケ中の資金調達②:中小企業庁の経営改善サポート保証

経営改善サポート保証とは、2014年から中小企業庁が始めた保証制度です。

一般的にあまり知られていないのですが、実はリスケ中の状態を脱却するための強い味方になってくれる制度です。別名「事業再生計画実施関連保証」とも呼ばれています。

経営改善サポート保証は、信用保証協会の保証付き融資の一種なのですが、中小企業再生支援協議会や整理回収機構、地域経済活性化支援機構といった関係者の支援をうけ、経営改善計画を策定することで通常の保証料率よりも安い利率で借入を行うことができます

信用保証協会の保証付き融資を初めて聞く方は、以下をご覧ください。

【関連記事】信用保証協会の保証付融資とは?金利や審査の流れ

経営改善サポート保証の最大の特徴は、一般保証とは別枠で最大2億8,000万円まで保証してくれる点です。

この制度を使ってリスケ中の借入金を借り換えられれば、リスケ(条件変更)から脱却し、正常の状態に戻すことが出来るのです。

具体的な条件は下記の通りです。

  • 保証限度額・・・2億8000万円
  • 資金使途・・・事業再生計画の実施に必要な運転資金・設備資金
  • 保証期間・・・一括返済の場合:1年以内、分割返済の場合:15年以内 (措置期間1年以内)
  • 信用保証料率・・・責任共有制度の対象の場合: 0.8%、責任共有制度対象外の場合: 1.0%

会社の立て直しを行う上で、ぜひ覚えておきたい制度です。気になる方は、お近くの信用保証協会に相談してみてください。

リスケ中の資金調達③:信用保証協会の条件変更改善型借換保証

中小企業の主な借入方法の一つが、信用保証協会の保証付き融資です。

条件変更改善型借入保証は、保証付き融資のリスケジュールを行なっている事業者のための融資制度です

制度概要を簡単にご説明すると、国が指定している認定支援機関(税理士や弁護士、金融機関等)の支援を受けて、リスケに至った状況説明書や今後の事業計画書を策定することで、複数の借入金を一本にまとめることができる、というものです。

例えば、

  • 残高500万円・残り4年・毎月10万円の借入
  • 残高1000万円・残り7年・毎月12万円の借入

の借金をしていて、毎月22万円の返済を行なっているとします。

これをまとめて一本化し、借入期間を見直すことで月々の返済額を減らすことができます。

具体的には、上記のケースで借入期間を15年に設定した場合、毎月の返済額は9万円まで下げることができます。

その他の条件は下記の通りです。

  • 保証限度額・・・2億8000万円
  • 保証期間・・・15年(据置期間2年)
  • 資金使途・・・保証付の既往借入金の返済資金
  • 信用保証料率・・・0.45~1.90%
  • 必要書類・・・状況説明書、事業計画書、認定経営革新等支援機関による支援内容を記載した書面(事業計画書に記載されている場合は不要)
  • その他・・・融資実行後、四半期に1回の定期報告が必要

信用保証協会の保証付き融資をリスケしている方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

リスケ中の資金調達④:ABL、不動産担保融資等の有担保ローン

リスケ中に銀行から追加融資が受けられないのは、貸し倒れリスクが高いと考えられるからです。

そこで、不動産担保融資やABL(売掛債権担保融資)などの担保設定をすることで、融資を受けられる可能性がでてきます。

ABLは、売掛債権を担保に融資を受ける方法です。売掛債権を売却するファクタリングと混同されやすいのですが、ファクタリングが債権の買取なのに対して、ABLは借入になります。

会計上もファクタリングは、売掛金の入金となりますが、ABLは負債としてカウントされるので、違いは正しく理解しておきましょう。詳しくは以下を確認してください。

【関連記事】ファクタリングとABL(売掛債権担保融資)の7つの違いとは?

また、有担保とはいえ、銀行融資であることに代わりはないので、審査をする上では、やはり利用企業の信用情報はチェックされます。

赤字決算、税金滞納等があれば、審査通過率は極めて低くなります。

リスケ中の資金調達⑤:手形貸付・手形割引

手形貸付は短期借入の方法の一つで、銀行に対して借入用の手形を差し入れし、代わりに融資を受けることができる制度です。

中小企業でも活用しやすい方法といえますが、期日までに返済ができないと「不渡り」となり金融機関との取引停止、対外的な信用力の大幅な低下に繋がるため、注意が必要です

手形割引は、支払い期日前の手形を銀行になどの第三者に譲渡し、現金化する方法です。

手数料を引かれた金額となりますが、業者によっては最短即日で資金調達が可能です。

ファクタリングと混同される方も多いので、違いを理解しておくと便利です。以下の記事で違いをわかりやすく解説しています。

【関連記事】手形割引とファクタリングの違いは?【資金調達の基礎知識】

リスケジュール中の資金調達における注意点

リスケジュール中の資金調達における注意点を3つご説明します。

  1. 外部からの調達に頼らずにリスケ解消を目指すのがベスト
  2. 税金(法人税や消費税など)の滞納はNG
  3. 返済合計額の増額よりもキャッシュフロー黒字化が何よりも先決

詳しくご説明していきます。

リスケ中の注意点①:外部調達に頼らずに解消を目指す

基本的には、自社努力のみでリスケ解消を目指すのがベストです。

リスケ中の返済が間に合わないから、資金調達をして、また足りなくなったから資金調達をして、、、と繰り返していると自転車操業であることは変わりません。

まずはリスケ状態になった原因を分析し、外部からの調達をせずに復活できる方法はないか模索してみてください。

リスケ中の注意点②:税金(法人税や消費税など)の滞納はNG

先ほどご説明した「経営改善サポート保証」「条件変更改善型借換保証」はいずれも信用保証協会の保証付き融資です。

リスケジュール中にどうしても資金繰りに困った際には大きな力となってくれる制度ですが、保証付き融資は税金滞納をしていると利用ができません。

頼みの綱が使えない事態になっては、危機的状況に陥ってしまいます。

法人税・法人住民税・法人事業税・消費税といった税金は滞納しないようにしましょう。

リスケ中の注意点③:キャッシュフロー黒字化が最優先

リスケジュール中に金融機関が求めていることは、経営再建です。

これはリスケジュール交渉時に注意しておくべきことですが、返済額の減額を求める際になるべく多く返した方がいいのではと考えてしまう方が多くいます。

ですが、リスケしたにも関わらず返済額が首を締めて中々黒字化が進まないという企業様もいらっしゃいます。

リスケジュールを行う目的はキャッシュフローの回復、黒字転換です。そのためであれば、リスケ中の返済額を0にしてもらうよう金融機関へ要求することも必要です。

リスケジュール中の資金ショートを回避するための対策

リスケ中の資金繰り悪化を防ぐための対策を3つご紹介します。

  1. 固定費・変動費のコストを削減する
  2. 不動産や保険等の資産を売却する
  3. 税金・社会保険料の減額・分割支払いにする

詳しくみていきましょう。

対策①:固定費・変動費のコストを削減する

まずは徹底的なコスト削減を行いましょう。

役員報酬の見直し、人件費の削減、仕入値の減額交渉、オフィスの移転、交通費の制限、通信料の見直しなど、様々な固定費・変動費があると思います。

削減するコストを選ぶ際には、「削減金額が大きいもの」「コスト削減を実行するまでの期間が短いもの」といった観点で選ぶと良いでしょう。

対策②:不動産や保険等の資産を売却する

法人や経営者が所有している資産を売却して現金化することで資金ショートを防ぐことも可能です。

資産には、不動産やゴルフ・リゾート会員権などもありますし、売却ではありませんが、加入している生命保険を解約することで解約返戻金を受け取る方法もあります。

もし資産を売却してしまうと事業運営に支障をきたす(機会設備等)場合は、セール&リースバックという資金調達方法が役立ちます。

【関連記事】セール&リースバックとは?メリット・デメリットや仕組みを解説

対策③:税金・社会保険料の減額・分割支払いにする

毎月の税金や社会保険料の支払いが厳しいという場合もあると思います。

資金ショートの可能性がある場合には、税務署や年金事務所で減額や一時保留、分割払いなどの対応をしてもらえないか相談してみましょう

最もやってはいけないのは、何も相談せずに滞納を続けることです。

督促状などを無視していると、財産を差し押さえることもあります。また、延滞によって、延滞税などの支払いも必要になり、さらなるコスト増加になってしまいます。

【関連記事】法人税が払えない場合の対処法と税金滞納のリスク

リスケジュール中の資金調達まとめ

今回は、リスケ中でもできる資金調達についてご説明しました。

返済条件変更中は、色々とプレッシャーがかかると思います。

本記事でご紹介した資金調達方法を知っておくだけで、いざという時にはこうした資金調達もできる、と心の安心材料になるはず。

とくに信用保証協会の保証付き融資は、経営再建を目指す企業を対象とした制度もありますので、いざという時には役に立つはずです。

本記事が皆さんにとって有益な情報になれば何よりです。