今回は、M&Aにおける買い手の呼び方の1つである「ストラテジックバイヤー」についてご説明します。
もしあなたが事業売却を考えているのであれば、株式譲渡先の会社がどのようなスタンスでM&Aに取り組んでいるのかを知ることが重要です。
買い手企業のM&A(買収・合併)の目的によって、売却によって得られるお金も異なってくるかもしれません。
ストラテジックバイヤー(シナジーバイヤー)、フィナンシャルバイヤーなど買い手企業の呼称をしっかりおさえておきましょう。
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ストラテジックバイヤーとは【買い手のM&Aスタンス】
ストラテジックバイヤーとは、自社の事業強化・事業拡大を目的としたM&Aを実施する買い手企業のことです。
自社の経営戦略に沿って、事業関連性の高い会社を買収するため、別名シナジーバイヤーとも呼ばれています。
ストラテジックバイヤーは、長期的に買収先を運営し続けて、高いシナジー効果を発揮することを目的としています。
そのため、経営価値がなくなった場合などの例外を除き、基本的には買収先企業を再売却することは想定していません。
ストラテジックバイヤーとフィナンシャルバイヤーの違い
M&Aにおける買い手の区分は、「ストラテジックバイヤー」と「フィナンシャルバイヤー」の2種類があります。
ストラテジックバイヤー(シナジーバイヤー)と違い、経営戦略ではなく、投資金額に対するリターン最大化を目的とした買い手をフィナンシャルバイヤーと呼びます。
プライベート・エクイティ・ファンドなどの投資ファンドは、典型的なフィナンシャルバイヤーです。
フィナンシャルバイヤーは自分たちが持っている経営ノウハウ等を活かし、買収先企業の株価を引き上げて3〜5年での株式売却を行うことで利益を得ています。つまり、売却前提の買収になります。
理論的には、ストラテジックバイヤーとフィナンシャルバイヤーがいた場合、ストラテジックバイヤーの方がシナジー価値を買収価格に組み込めるので高い金額を提示できるとされていますが、実際のM&Aでは必ずしもそうとは限りません。
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ストラテジックバイヤーまとめ
M&Aの買い手には、買収先の株価を向上させて利益を得る投資ファンド等と自社の事業拡大を狙った事業会社等の2種類があることが分かりました。
M&Aにおいて、売り手と買い手の相性は非常に重要です。
買い手企業のM&Aの目的やスタンスをしっかりと理解した上で、契約を進めるようにすると良いでしょう。