ファクタリングの審査基準とは?6つの審査ポイントを解説

ファクタリング 審査基準

ファクタリングは赤字や税金滞納中でも利用できるから審査も緩いのでは、と考えていませんか?

たしかに、ファクタリングは融資が通らない企業や個人事業主も利用できる柔軟性の高い資金調達方法ですが、場合によっては、審査に通らない場合もあります。

そこで今回は、ファクタリングの審査基準とスムーズに審査に通すためのコツをご紹介していきます。

そもそもファクタリングは銀行融資と審査基準が全く異なるので、しっかりと両者の違いを抑えて、ファクタリング会社が重視しているポイントを理解することが大切です。

初めてファクタリングを検討する方に向けて、なるべく専門用語を使わずに分かりやすく解説しています。ぜひ最後までご一読ください。

ファクタリングと銀行融資の審査方法の違いとは?

資金調達というと、まず頭に浮かぶのが日本政策金融公庫や信金などからの融資という方も多いのではないでしょうか。

銀行融資とファクタリングはそもそも根本的に中身が異なるので、まずはその違いをご説明します。

ファクタリングと融資の違いをまとめると、以下のようになります。

項目 ファクタリング 銀行融資
契約内容 売掛債権の売買 金銭の貸し借り
手数料/金利 売掛金額の10%〜20%程度 金利1%〜8%程度
主な審査対象
  • 売掛債権の信用度
  • 売掛先企業の信用度
  • 利用企業の経営状況
  • 利用企業の返済能力
審査期間 即日〜数日 1〜2ヶ月
取引可能額 売掛金額の範囲内 利用者の評価により変動
財務上の変化 売掛金から現預金へ変化 借入金の増加

上の表をみればわかる通り、

  • 融資・・・金銭貸借のため、利用者の返済能力が第一。
  • ファクタリング・・・売掛債権の売買のため、売掛先企業の信用力が第一。

という大きな違いがあります。

ファクタリング会社は、入金前の請求書(売掛債権)を額面上の金額よりも安く買い取って、入金額との差分を利益として得ています。

万が一、支払日になっても売掛先企業が支払いをしてくれなかったり、倒産して請求書が不良債権してしまったら、ファクタリング会社は損失を被ることになります。

そのため、ファクタリング会社にとって最も大事なのは、「利用者が提示した請求書が信頼できるものか」「売掛先企業は支払いをしてくれるか」ということなのです。

ここが銀行融資の審査と全く違う点であり、「税金滞納中」「赤字経営」「代表者がブラックリスト入り」といった一般的に融資否決となる可能性が高い方でもファクタリングを利用できる理由です。

ファクタリングで重要視される6つの審査基準

それでは、具体的にファクタリング会社が審査を行う時にはどのようなポイントをみているのでしょうか。

審査基準は大きく以下の6つです。

  1. 売掛債権は本当に存在しているものか
  2. 取引先企業の経営状況・信用力はどうか
  3. 売掛先企業からの過去の入金実績はあるか
  4. 売掛金の入金サイクルはどれくらいか
  5. 売掛債権を二重譲渡していないか
  6. 利用者はモラルのある人か

それぞれ詳細をご説明します。

①:売掛債権は本当に存在しているものか

そもそもの話になりますが、ファクタリング会社にとって売掛債権が本物であるという確認をしなければなりません。

残念ながら、ファクタリングを利用する人の中には、架空の請求書をでっちあげて偽装する等、悪事を働く人もいるようです。

そうした偽装書類を買い取らないためにファクタリング会社は、請求書だけではなく、取引先企業との契約書や納品書、過去の通帳の入出金履歴などの提出を求めます。

仮にわざとではなくても、「口約束のみで書面で契約書を交わしていない」「通帳を無くしてしまって入出金履歴を提示できない」という場合、ファクタリング会社としては真偽の確かめようがなく買取を断念せざるを得ないことになります。

ただし、取引先企業と契約書を交わしていなくても、メールなどでエビデンスが残っていれば特別OKにしてくれる等、柔軟に対応してくれるファクタリング会社もあります。

②:取引先企業の経営状況・信用力はどうか

経営実態が不透明で入金してくれるかどうか怪しい会社の売掛債権と、上場企業や国の公的機関を相手にしている売掛債権では、どちらの方が安心できるでしょうか?

ファクタリング会社は、商工リサーチや帝国データバンクといった企業情報サービスや登記情報などをもとに取引先企業の信用調査を行います。(取引先へ信用調査のことが知られることはありません)

信頼度としては、上から順に

  • 国・地方自治体(入札案件、医療・診療債権など)
  • 大手上場企業
  • 中小・零細企業

といった並びになります。

もちろん、日本の99.7%は中小企業なのでそれだけが理由で審査に落ちることはありません。

取引先企業が風俗・水商売関連の会社であったり、反社会的勢力との関わりが認められたりした場合には、審査が通らないことが大半です。

また、上記の理由から「個人相手の債権」はファクタリングでは利用できません。

例えば、不動産の家賃収入を早期に入金するためにファクタリングを、といったことはできないのです。

【関連記事】ファクタリングで取引先が倒産や不渡りを起こしたらどうなる?

③:売掛先企業からの過去の入金実績はあるか

売掛先企業と初めて取引をするか、過去にも何度か取引をしているか、という点も審査基準になります。

過去にも安定的に入金をしてくれる取引先であれば、信頼度は上がります。

新規の取引先の場合は、未回収リスクを考慮する必要があるため、業者によって手数料が高くなる可能性などがあります。

④:売掛金の入金サイクルはどれくらいか

一般的に売掛金の入金期日は2ヶ月以内までが対象になります。

例えば、2週間後に入金予定の売掛債権と3ヶ月後に入金予定の売掛債権があった場合、前者の債権の方が審査には通りやすいといえます。

⑤:売掛債権を二重譲渡していないか

二重譲渡とは、同一の債権を複数のファクタリング会社へ譲渡することを意味します。

いずれか一方のファクタリング会社は資金回収ができなくなるので、もちろん、これは違反行為です。

業者によってはこのような債権の二重譲渡を防ぐため、債権譲渡登記を求めるケースもあります。

債権を登記することで、この債権は今自分たちが所有しているということを公的に証明できるからです。

これを必須にしているファクタリング会社もあれば、そうではない会社もあります。

以下の記事で、債権譲渡登記をする際の利用側の注意点を解説していますので、気になる方は確認してください。

【関連記事】ファクタリングの債権譲渡登記とは?費用やデメリットを確認

⑥:利用者はモラルのある人か

ファクタリングでは、利用者の誠実さも重要な審査基準の1つです。

というのも、ファクタリング(2社間ファクタリングの場合)では、売掛先企業から利用者に請求分のお金が振り込まれ、利用者がそれをファクタリング会社に支払うという流れになります。

そのため、利用者が、売掛先企業から振り込まれたお金をファクタリング業者に払わず行方をくらましたり、別の用途で使い込んでしまったりしては、業者は多大な損失を受けます。

しっかりと入金分を業者に振込してくれるかどうかを見極めるため、契約者自身がどういった人物かという点も大事になってきます。

提出書類の誤字脱字をなくすことはもちろん、契約時に面談がある場合は、しっかりと正装をして礼儀正しい対応を心がけましょう。

【補足】医療債権など未入金リスクが少ない債権は審査に有利

医療債権や介護報酬債権などの国から費用が支払われる債権は、信頼度が高いため、ファクタリングの審査は通りやすく、かつ手数料も割安で済みます。

ファクタリング会社にとっては安心して買取できる債権であるだけではなく、利用者からすると国・自治体の売掛債権は入金サイクルが長いことがネックになりがちです。

例えば、社会保険料や国民健康保険料は、支払いサイクルが数ヶ月以上先となるのでキャッシュフローに困る医療機関や介護施設は少なくありません。

医療事業者や介護事業者の方は、ファクタリングを資金繰り安定の1つの選択肢にいれておくといざという時に役立つと思います。

【関連記事】ファクタリングで審査落ちする8つの原因とは?

ファクタリングの審査に必要な書類は何?

以上がファクタリングの主な審査基準でした。次に審査に必要な書類をご紹介します。

ファクタリングの審査は基本的に「仮審査」と「本審査」の2段階に分かれます。

仮審査では、簡易的な審査を行い買取可否やだいたいの買取額をだし、本審査で細かい条件をみていくことになります。

ファクタリング会社によって、必要書類は少し変わってくる部分もあるのですが、ここでは業界での買取実績トップクラスであるビートレーディングの例をご紹介します。

【ビートレーディングの必要書類】

  • 仮審査時

・本査定申込書(ビートレーディングより送付)
・通帳のコピー(表紙付2ヶ月分)
・請求書

  • 本審査時

・登記簿謄本
・印鑑証明書
・代表者様の印鑑証明書
・住民票

上記はあくまで一般的な必要書類であり、個別の状況によっては追加書類を求められる可能性もあります。

より細かい審査書類の内容を知りたい方は以下が参考になります。

【関連記事】ファクタリング審査に必要な書類と取得方法まとめ

ファクタリング審査に関するQ&A

最後にファクタリング審査に関するよくある質問をまとめてみました。

Q.2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで審査通過率は変わりますか?

変わります。

2社間ファクタリングの方が、3社間ファクタリングよりも審査は厳しいです

取引先企業が直接ファクタリング業者へ支払いを行う3社間ファクタリングと違い、2社間ファクタリングは、前述した通り、一度利用者が受けとり、その後にファクタリング業者へ支払われます。

業者にとっての回収リスクは2社間ファクタリングの方が高く、その分、審査の目も厳しくなります。

Q.ファクタリングは銀行融資に落ちても利用できる?

銀行融資に落ちた会社でもファクタリングを利用することができます。

ここまでお話したように、融資とファクタリングでは、審査対象が異なります。

融資の場合は、申し込み企業の信用力が評価されるのに対し、ファクタリングの場合は、売掛先企業の信用力が評価されます。

融資で審査落ちしてしまった企業でも利用できる資金調達方法として注目されているのがファクタリングです。

ファクタリングの審査基準は業者によって違う!

今回は、ファクタリングの審査基準に関して詳しくみていきました。

ファクタリングは他の資金調達方法と比べて、審査基準が特殊です。今回ご紹介したのは主な審査基準であり、各ファクタリング会社によって、審査方法は多少異なります。

そのため、あるファクタリング会社では断られたけど、別のファクタリング会社では買い取ってもらえたというケースも少なくありません。

もし初めてファクタリングを利用するのであれば、まずは複数のファクタリング会社に見積もりをとることをおすすめします。

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