赤字や債務超過中でも資金調達できる6つの方法

赤字 債務超過 資金調達

赤字決算や債務超過中の会社でもできる資金調達方法をご紹介します。

国税庁の発表によると日本全国の法人の内、約7割が欠損法人(所得額マイナス)です。

キャッシュフローの改善・資金繰り悪化に悩む中小・零細企業経営者様は多くいらっしゃると思います。

とくに赤字決算だった場合は、これまで創業融資等で付き合いのあった公庫や信用金庫、銀行等の金融機関から追加融資を受けることは難しくなります。

事業資金(運転資金・設備資金)が必要になった時、赤字の会社でも資金調達できる方法はあるのでしょうか?

本記事では赤字会社でも使える資金調達6つの方法とそれぞれのポイントをご紹介します。

資金調達にお困りの中小・ベンチャー経営者様はぜひご一読ください。

赤字・債務超過中の会社は銀行融資を受けられる?

まずはじめにお伝えしておくと、赤字や債務超過中の会社・個人事業主は基本的に銀行からの借入は難しいでしょう。

貸し出し側からすると貸し倒れリスクやリスケジュール(条件変更)申し込みが増えるからです。

事実、銀行融資の審査では、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の決算書類がシステム審査にかけられスコアリングされます。

赤字決算の中小企業は、スコアリングにより格付けが下がり、ほとんどの場合融資を受けることができません。

もちろん、銀行融資でも審査に通る可能性は0ではありませんが、融資以外の資金調達方法を知っておくことで自社の状況に合わせた最適な選択をすることができるはずです。

運転資金が足りない!赤字・債務超過中でも使える資金調達手段を紹介

赤字中でも使える資金調達の方法は以下の6つです。

【赤字・債務超過中でも利用できる資金調達方法】

  1. ファクタリング
  2. ビジネスローン(決算書不要のもの)
  3. 経営改善計画の策定
  4. 親や親戚、知人からの借入
  5. クラウドファンディング
  6. セールアンドリースバック

各方法を1つずつ詳しくご説明します。

①ファクタリング

赤字や債務超過中の資金調達手法の中で、最も堅実ですぐにキャッシュを作れるのがファクタリングです。

ファクタリングとは、売掛先に発行した請求書などの売掛債権をファクタリング業者に買い取ってもらい現金化できる資金調達手法です。

ファクタリングでは、利用者の状況よりも売掛先企業の返済能力が重視されるため、赤字、債務超過であるということが審査可否に影響しません。

そのため、入金前の請求書をお持ちであれば、赤字中の会社でも問題なく利用できます。

また、ファクタリングは、借入ではなく債権売却にあたるので会計上「負債」に当たりません。

つまり、金融機関から融資を受ける時にマイナス評価にならないということです。

②ビジネスローン

基本的にビジネスローン(事業ローン)の申請には、決算書類(個人の場合は確定申告書類)が必須です。

しかし、中には、決算書類が不要のビジネスローンもあるので、赤字の場合はこうしたビジネスローンに申し込むと良いでしょう。

そもそも、ビジネスローンの審査基準は甘いと思われていますが、赤字の場合だと審査通過は厳しいです。

というのも、ビジネスローンの審査ではスコアリングシステムという自動判定システムが使われることが多くあります。

スコアリングシステムでは、企業の決算数値をもとに審査の白黒をつけます。

そこではこれまでの経営成績のみが評価対象となり、たとえ翌期からキャッシュフロー改善できる見込みだとしてもそこは評価がされません。

また、中には、スコアリングシステムを活用せず、アナログでの面談方式で審査を行うビジネスローン会社もあります

こうした会社の審査面談では、赤字の理由や今後の改善計画を直接伝えることができます。面談審査のビジネスローン会社を活用してみるのも1つの手です。

また、ビジネスローンの金利は、大体5%〜16%程度です。

やはり政府系金融機関の融資や銀行のプロパー融資と比べると高金利になるので、長期間返済を前提とした借入はおすすめしません。

一時的に運転資金を確保するつなぎ融資といった短期利用が向いている資金調達方法です。

ビジネスローンを検討するなら、無担保・無保証で50万円〜1,000万円の融資が受けられる「AGビジネスサポート」がおすすめです。最短即日で資金調達ができ、申込から入金まではオンラインで完結します。(※お申し込みの受付時間・混雑状況により、日数がかかる場合があります。余裕をもってお申込みください。)

③経営改善計画策定後の融資

大手企業であれば、赤字が出たとしてもこれまでの信用力からメガバンク・地方銀行・信用金庫などの金融機関からお金を借りることができるでしょう。

しかし、国内法人の99.9%を占める中小企業の場合、債務超過に陥ると簡単には金融機関(ノンバンク含む)はお金を貸してくれません。

赤字中に金融機関から融資を受けるには、融資担当者に「赤字は一時的なもので将来的には黒字化が見込める」ということを納得してもらう必要があります。

この黒字化計画のことを「経営改善計画」と呼びます。

もちろん、退職金の支払い・貸し倒れ損失・固定資産売却損・のれん代償却・在庫処分などによる一過性の赤字であれば、銀行も正常貸出先として融資を認めてくれることがあります。

しかし、「市場が縮小している」「大口の顧客との取引がなくなった」等の理由で業績が悪化している場合は、一時的な赤字とは認められません。

こうしたケースでは、「経営改善計画」を作成し、次の事業年度からは黒字化が見込めることを伝える必要があります。

赤字の決算書と経営改善計画を比べ、これなら黒字転換が見込めそうだ、と銀行担当者が納得すれば、融資実行してくれる場合もあります。

ただし、経営改善計画には、銀行担当者が重視しているポイントやアピールするべき書き方がありますので、税理士など専門家のサポートを受けることをお勧めします。

④親や親戚、知人からの借入

家族や親戚、知人からお金を借りる方法もあります。

身内でのお金のやりとりになるので、決算状況は関係ありません。しかし、返済できなければ大切な関係を壊しかねませんので、慎重に検討してください。

例えば、身内からお金を借りる時は、以下のような点がトラブルの原因になりやすいです。

  • 返済方法は一括か分割か?
  • 支払いの期日はいつか?
  • 金利は何パーセント?
  • 期日までに支払いされなかった時の取り立てはどうする?

親族や友人間の場合、このような細かい認識のズレからトラブルに発展することがあります。

親しき仲にも礼儀ありといいますが、もし身内からお金を借りるのであれば、借用書の作成をおすすめします。

下記に正しい借用書の書き方をわかりやすく解説していますので、良ければご参考になさってください。

【関連記事】正しい借用書の書き方と金銭トラブルで揉めないための注意点

⑤クラウドファンディング

クラウドファンディングでは、企業や個人が掲げたプロジェクトに共感・賛同してくれた不特定多数の人々から資金調達を行います。

そのため、その会社の決算状況や経営者の信用情報に関わらずに実施できます。

寄付型・購入型・貸付型など様々な種類のクラウドファンディングがあるので、自社のビジネスやプロジェクトに合ったものを選び、クラウドファンディングサイトを通じて募集をかけます。

ただし、必ず資金調達できる保証がないこと、また資金が集まるまでにどれ位の期間がかかるか分からない点には注意が必要です。

社会性の高いビジネスや革新的なビジネスを手がけている会社はチャレンジしてみる価値はあると思います。

セールアンドリースバック

セールアンドリースバックは、機械等の設備資産を持っている会社におすすめの資金調達方法です。

自社の資産売却は、緊急の資金調達時には役立つ方法ですが、「資産を売ってしまうと事業存続ができない」というケースもあると思います。

そんな時に役立つのがセールアンドリースバックです。

セールアンドリースバックは、自社の資産をリース会社や金融機関に売却し、改めてリース契約を結んで資産を使い続けるという仕組みになっています。

リース契約に切り替えることで機械等の資産を使い続けながら、まとまったキャッシュを集めることができます。

ただし、「買取金額は通常の売却金額と比べると割安になる」点や「リース契約の期間によっては売却額よりも高いリース料がかかる」点に注意が必要です。

詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【関連記事】セールアンドリースバックとは?メリット・デメリットや仕組みを解説

銀行に断られても大丈夫!赤字中でも活用できる資金調達方法は複数ある!

赤字決算でもできる資金調達方法をご紹介してきました。

債務超過の場合は、これまで付き合いのあった金融機関からの追加融資も断られ、新規の借入も困難になり、資金調達は困難なように思えます。

しかし、現金の作り方は融資だけではありません。運転資金の確保が急務であれば、ぜひ本記事でご紹介した方法を試してみてください。

ぜひこうした制度を活かして資金繰り状況を改善していただけると何よりです。

【関連記事】資金繰りが苦しい中小企業の社長が今すぐ実践するべき3ステップ